食物アレルギー
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- 食物アレルギー
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食物の摂取により生体に障害を引き起こす反応のうち、食物抗原に対する免疫学的反応によるものを食物アレルギーと呼ばれています。
体の中で異物(抗原)が入ってくると、これに対して防衛しようとする働きにより抗体が作られ、その後の抗原の侵入に対して、この抗体が良いほうに働けば、免疫反応により病気の発症を抑えることができます。
ところが、アレルギー体質を持っている人の場合、その後の抗原の侵入に対して過敏な反応をし、血圧低下、呼吸困難又は意識障害等、様々なアレルギー症状が引き起こされます。
このアレルギーの原因となる抗原を特にアレルゲンといいます。
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- アレルギー表示の経緯
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アレルギー物質を含む食品に起因する健康被害を未然に防ぐには、消費者が食品中のアレルギー物質の有無を知る必要がありますが、平成12年度以前の食品に関する表示制度では、その原材料について表示義務が課されない場合などがあり、消費者への情報提供が不十分でした。
そのため、平成11年3月5日の食品衛生調査会表示特別部会における「食品の表示のあり方に関する検討報告書(平成10年版)」により、食品中のアレルギー物質についての表示を義務付ける必要があるとされ、平成12年7月13日に「遺伝子組み換え食品及びアレルギー物質を含む食品に関する表示について」の報告書で、表示の方法を過去の健康被害の程度、頻度を考慮して重篤なアレルギー症状を惹起する実績のあった食品について、その原材料を表示させる「特定原材料等の名称による表示」方式とし、実情調査をもとに24品目の特定原材料等を示されました。
国際的な動向も踏まえて、消費者の健康被害の発生を防止する観点から、食品衛生法においても、アレルギー物質を含む食品にあっては、それを含む旨の表示を義務付けることが必要であると考えられました。
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- アレルギー物質を含む食品
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厚生労働省は、過去に一定の頻度で血圧低下、呼吸困難又は意識障害などの重篤な健康被害が見られた症例から、その際に食した食品の中で明らかに特定された原材料をアレルギー物質を含む「特定原材料等」として指定しています。
現在、特定原材料等は28品目あり、アレルギーの表示については、実際のアレルギー発症数、重篤度等に差異があるため、省令で法令上表示を義務付けるものと、通知で表示を奨励するものとに分けられています。
なお、食物アレルギーの原因物質は、時代の変化とともに変わっていく可能性があるため、「特定原材料等」の見直し等には十分注意する必要があります。
アレルギー物質を含む食品に関する表示について特定原材料等28品目
規定 特定原材料等の表示 理由 省令 卵、乳、小麦、えび、かに、くるみ※ 症例数が多いもの そば、落花生 症状が重篤であり生命に関わるため、特に留意が必要なもの 通知 あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、バナナ、ごま、カシューナッツ、アーモンド 症例数が少なく、省令で定めるには今後の調査を必要とするもの ゼラチン 牛肉・豚肉由来であることが多く、これらは特定原材料に準ずるものであるため、既に牛肉・豚肉としての表示が必要であるが、ゼラチンとして単独の表示の要望が多く、また専門家の指摘も多いため ※「くるみ」は令和7年3月31日まで経過措置期間となっております。
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- コンタミネーションにおける特定原材料の表示
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食品を生産する際に、原材料として使用していないにも拘らず、特定原材料等が意図せず混入(コンタミネーション)してしまう場合があります(同じ製造ラインで製造するため、製造ラインを洗浄したにも拘らず混入してしまう場合)。
例えば、特定原材料Aを用いて食品Bを製造した製造ライン(機械、器具等)で、次に特定原材料Aを使用しない別の食品Cを製造する場合、製造ラインを洗浄したにも拘らず、その特定原材料Aが混入してしまいます。
この場合、混入する可能性が完全に否定できない場合であっても、この混入物質は原材料でないと判断される場合には、特定原材料Aは食品Cの原材料とはならないので、表示の義務はないとされています。
しかし、食物アレルギーはごく微量のアレルギー物質によっても発症することがあるので、厚生労働省では、コンタミネーションしてしまう場合は、原材料表示欄外にその旨を注意喚起することが望ましく、同一製造ラインを使用することや原材料の採取方法等により、ときにある特定原材料等が入ってしまうことが想定できる場合には、明確に注意喚起する必要があるとしています。(注意喚起例)
〇同一ライン使用によるコンタミネーション- 「本品製造工場では〇〇(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています。」
- 「〇〇(特定原材料等の名称)を使用した設備で製造しています。」
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- 堺市学校給食協会の役割
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協会に求められているのは、学校給食に、児童が反応するアレルギー物質を含むかどうか、保護者が判断・選別できるように情報提供することです。
アレルギーは、それを食すると即座に反応が出ることも多く、かつ重篤に至るケースもあり、情報提供には正確さが要求されるため十分注意が必要です。
- アレルゲンを表示した給食物資の正確な情報提供(「商品説明書」)
- 研修会等を通じ、関係者がアレルギーを理解し、「アレルギー体質を持った児童がアレルギー物質を食することは、命にかかわること」という危機管理意識を持って業務を行います。
- アレルギー物資混入時の対応マニュアルの作成